不動産の相続は増加傾向
超高齢化社会を迎えている現在の日本では、不動産の相続が増加し問題になっています。
国内の相続発生件数は年間の死亡者数と比例しています。
ちなみに2000年における日本国内年間死亡者数は96万人でした。対して2023年の年間死亡者数は159万人で過去最多を更新しています。
この約20数年間で我が国の年間死亡者数は1.5倍以上も増加しており、それに比例して不動産の相続も急増しているのです。
不動産の相続による空き家が増加しているのは社会問題の一つになっています。
今回は相続をした不動産の売却についてお話しします。
相続した不動産を売却するメリットとデメリット
| メリット | デメリット |
・ 遺産分割をしやすい ・ 特例・特別控除を利用することが可能 ・ 維持管理費を省ける | ・ 相続登記の義務化(2024年4月〜) ・ 共有財産の場合は全員の同意が必要 ・ 相続税の納期期限 |
それでは相続した不動産を売却することのメリットについて詳しく説明します。
遺産分割をしやすい
遺産の相続人が複数の場合には、分配時にトラブルが起きやすいです。そのため売却せずに所有する場合には、話し合いが長引く傾向にあります。
スムーズな遺産分割を行いたいのであれば、不動産売却による「換価分割」がおすすめです。
換価分割では不動産売却による利益を現金で分割します。そのため、遺産を分配しやすいです。
遺産分割方法には現物分割・換価分割・代償分割があるが、中でも換価分割が分かりやすくておすすめ
特例・特別控除を利用することが可能
相続した不動産の状態により次のような特例・特別控除を利用することができます。
- 居住用財産の3,000万円特別控除
- 相続空き家の3,000万円特別控除
- 取得費加算の特例
- 小規模宅地等の特例
主に上記が利用されることが多いです。
またそれぞれの組み合わせにより納める相続税が変わります。
自分の不動産売却には何を利用すれば手元に遺産が多く残るのかの検討が必要です。
維持管理費を省ける
相続した不動産を「空き家として所有する場合」にはいくつかリスクがあります。
平成26年11月〜「空き家等対策特別措置法」が設立されています。
これにより「特定空き家」に指定されると罰金が発生、また場合によっては行政指導を受けてしまうこともあります。
また、住居として住む場合にも、固定資産税のほかに築年数が古ければ古いほどあちこちメンテナンスにかかる費用がかかることは覚悟しないといけません。
このようなことを考えると、相続した不動産を売却することは税金や保険料を含めて維持管理費を省けることもメリットの一つと言えるでしょう。
相続した不動産を売却する際の注意点
相続してから3年以内の売却を心がける
相続不動産で利用できる特例・特別控除は利用期限が設けられています。これらは相続してから3年に設定されているため、売却も3年以内が目安です。
相続した不動産は通常の不動産よりも手続きに時間がかかってしまいます。
相続した不動産の売却は早めに検討し、実施することがポイントです。
単独登記型は贈与とみなされないように注意する
相続不動産の売却する際のメリットでも触れた「換価分割」には2種類あります。
「共同登記型」「単独登記型」があり、単独登記型は不動産が単独所有物になります。
これは売却後の現金を他の相続人に分配すると「贈与」とみなされる場合があります。
東京国税庁のホームページ上では、「共同相続人のうちの1人の名義で相続登記をしたことが、単に換価のための便宜のものであり、その代金が、分割に関する調停の内容に従って実際に分配される場合には、贈与税の課税が問題になることはありません」と買いてありますが、それは絶対ではないようです。
そのため、お金の配分が贈与とみなされないよう、対策をする必要があります。
具体的な対策方法としては、遺産分割協議書に「換価分割目的で遺産を取得する」ことを明記することです。
単独登記型で家を売却する際は、遺産分割協議の時点で売却方法と分割方法を決めておきましょう。
相続した不動産を売却するまでの流れ
①遺産分割協議を行う(〜3ヶ月以内)
- 遺言書の有無の確認
- 遺産や債務の確認
- 相続放棄を意思の確認
- 準確定申告の実施
こちらは遺産相続人が複数いた場合に実施します。それぞれが遺産相続する内容を決めるための協議になります。
基本的には税理士を交えて行うことが多いです。
②不動産の名義変更を実施する(〜4ヶ月以内)
③不動産業者へ依頼する
④不動産の調査を実施・査定
⑤売買契約を締結する
⑥残金決済を行う
⑦不動産を引き渡す
相続した不動産の売却も専門家にお任せ下さい!
相続した不動産は「特別控除・特例の利用」「相続税の納付」に期限があります。そのためには売却のプロである不動産会社に依頼することがポイントです。
しかし不動産会社により取り扱う分野の特性が異なります。ぜひ相続不動産の売却の実績がある不動産かどうかを確認してみてください。